砂肝で家は建てられない

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Stage of the ground (BUMP OF CHICKEN)

jupiter

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バンプ初期の名曲

3rdアルバム"Jupiter"収録。バンプ初期の壮大な曲調の名曲。

楽器だけの演奏になる時間が比較的長く、いろいろなアレンジがされていることが多いように思うけど、生BUMPを見たのはフェスに行った数回だけなのであんまりよく分からない。友人の子供が生まれたことを記念して作られた曲だっけ。

曲を取り上げているけど、個人的にBUMPの熱烈なファンというわけではない。フラッシュ動画をきっかけに存在を知って、BUMP好きの友人にいろいろ曲を教えてもらったり、カラオケで友人が歌ってた曲をメモしてたりした程度にしか曲は知らない。

要はにわか。

 

全くスネアを叩かないドラムパターン

この曲を聴いて最初に耳に入ったのがドラムパターンだった。全くスネアドラムを叩かない。ひたすらハイタム・ロータムだけでドンドコドンドコしながらリズムを作っていくというのは、ロックバンドではあまり聴いたことがなくとても新鮮だった。

イントロもギターの分散和音から入るパターンとドラムからスタートするパターンがあったように思うけど、僕は個人的にはドラムパターンからスタートする方が好き。

ドラムが全くスネアを叩かないため分かりやすく盛り上がる訳ではないので、曲自体は割と淡々と進んでいく。そしてベースは時々地味に荒ぶっている。

 

2番サビが終了してCメロが終わったあたり、ギターソロの前にドラムフィルが入ってくるが、ここで初めてスネアドラムが叩かれる。本当に一瞬「タッタタ!」と入ったかと思ったら、またさっきまでのドラムパターンに戻る。

その後もギターソロ、一瞬静かになった後に盛り上がるラスサビまで例のドラムパターンは続く。

 

最後の最後に入ってくるスネアドラム

ただ曲の最後の最後、「Stage of the ground, yeah!」と歌が入った瞬間に、ドラムパターンがスネアドラム入りのものに変化する。

あれほど執拗に叩かれなかったスネアドラムがアンサンブルの中に入ってきたおかげで、景色がパッと開けるというか、ぐっと加速するというか、そんな感じの爽快感を味わった結果脳から変な液体が出てくる。ほんと気持ちいい。

静かに溜めつづけたエネルギーが一気に放出されていく感じ。もう最高。

ついでみたいに言うけどメンバーが皆でラララって歌ってるのも合わさってとても良い。

こうやって全体を聴き直してみると、Cメロ終わりのスネアを使ったフィルも、この開放感を味わうための伏線なんじゃないかと思うくらい。考えすぎかな。

このドラムパターンは時間にしたら20秒も続かなくて、その後はすぐに元々のドンドコパターンに戻ってしまう。そしてイントロのパターンに戻ってそのまま淡々と曲は終了する。

 

スネアドラムの一打の魅力

溜めに溜めた後のスネアドラムの一打には強い力があると思う。BUMPの例えは極端過ぎた気もするけどなんというか場を引き締める効果というか…

ジャズドラムの人だって雰囲気を変えるため(ラテンから4ビートにチェンジする時とか)に小節の4拍目にオープンリムショットを入れたりしてる気がするし。

 

おまけ

他にもう1つ極端すぎる例を出すと、キース・ジャレットの"Death and the flower"(邦題:生と死の幻想)とか。


Death And The Flower

最初の6分間ぐらいは民族音楽みたいな感じでパーカッションとかが打ち鳴らされてて、そこからやっとメロディーらしいものが提示される。

ドラムがしっかり8ビートのパターンを刻み始めるのは9:40位からなんだけど、9:47時点で入ってくるポール・モチアンのスネアドラムの1打が本当に好き。ようやく全員が揃っでバンドが加速していく感じが出ているように思う。

曲全体で23分位あるのであんまり頻繁に聴きたいものじゃないけど。てかこの文章を書くに当たって6年ぶりくらいに聴いた。

暇で暇で仕方ない上に元気がありあまっている人にだけおすすめする名演(失礼)。

 

 

jupiter

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生と死の幻想

生と死の幻想