砂肝で家は建てられない

好物はジャズとポップスと小説と砂肝

Teo/Neo (Miles Davis)

Someday My Prince Will Come (Bonus Track Version)

Someday My Prince Will Come (Bonus Track Version)

スパニッシュフレーバーあふれる名曲

”Teo”だったり”Neo”だったりややこしい曲。

初出はジャズの帝王マイルス・デイヴィスの1961年の名盤 "Someday my prince will come"。ラテンで3拍子、独特のエキゾチックなムードは当時としても新鮮だったんじゃないかと。

 


Miles Davis Quartet with John Coltrane - Teo

歯切れのいいジミー・コブリムショットと跳ねるようなウィントン・ケリーの伴奏だけでご飯3杯はいけますわ…

この曲は当時のプロデューサーだったテオ・マセロ (Teo Macero)に捧げた曲だったらしい。

さぞかし本人も嬉しかったことと思う。

 

帝王の気まぐれでまさかの改名


Neo(Saturday Night Set Three)- Miles Davis

ただ1ヶ月後に録音されたライブ盤 "In person Saturday night at the Blackhawk"では、マイルスの気まぐれなのか名前がなぜか "Teo"から "Neo"に変わってしまっている。

さぞかし本人も悲しかったことと思う。

ライブ盤ではウィントン・ケリーの伴奏はさらにキレを増していて最高。辛口なマイルスのソロは勿論、ハンク・モブレーのソロも妖しげな雰囲気が出ててグッド。

 

分析

曲の構造としては、

F Aeolian→A Phrysian/Spanish→D Phrysian/Spanish→D Mixolyrian→F Aeolian→(以後同様)

の順に使用スケールが変わっていく流れ。勿論この音だけに縛られているわけではなさそうだけど。

おそらくスケールが変わるタイミングはアイコンタクトかなと思う。こういうソロの回し方は今までのジャズにはあまりなかったはず。後々の現代ジャズに通じるところのある曲だなという印象。

またいつかバンドでやってみたいなあ。

 

Someday My Prince Will Come (Bonus Track Version)

Someday My Prince Will Come (Bonus Track Version)